おりべろ

折りたたみ自転車とミニベロ

最速な折りたたみ自転車はどれ?【速さで比較編】

折りたたみ自転車・ミニベロの中でも、スピードの出るタイプを選びたい、またロードバイクを持っていて持ち運びやすい2台目が欲しい、という方に向けて、この記事では折りたたみ自転車・ミニベロの各ブランドの中でもスピードの出しやすさを重視したモデルを紹介しています。
 

スピードの出しやすいモデルって?

通常モデル(5-10万円くらいまで)のミニベロや折りたたみ自転車よりも、さらにスピードが出やすい自転車とはどのようなものでしょうか。それは、一般的にパーツがより軽く、抵抗も少なく、精密になる必要があるため、より多くの予算が必要になります。
 
そのためスピードの出しやすいモデル≒そのブランドの上位モデルということが多いです。快適で、趣味性が高く、スピードも出しやすい、ということですね。
 
今回は速さを重視するモデルを選定するにあたって、各モデルの中でもフレーム、タイヤ、クランク、ギア比などの設計が通常モデルよりもスピードの出しやすさを実現しているモデルを考慮しています。
 
 

Rileigh(ラレー) RSC RSW Carlton

イギリスの自転車メーカーのRaleigh(ラレー)のフラッグシップモデル「RSC RSW Carlton」です。チェーンホイール(前輪側のギア)が56-42T(ギアの歯数)となっており、1こぎで進む距離はロードバイクと遜色ありません。また変速は11段ギアとなりますので登攀能力も文句なしです。
 
参考資料:自転車のギア比とは
http://www.loro.co.jp/blog/lwr/2009/08/post-9.html
 
フレームチューブはREYNOLDS-520など高級パーツを使用。フラッグシップモデルの名に恥じないモデルとなっています。きれいなグレーカラーの車体ですが、ハンドルバーとサドルを明るめの皮と交換するとより大人びた配色(最下の写真)にもカスタマイズできます。
 
 

Billion Lionel 10 (ビリオン リオネル10)

神奈川県にある「いさみや自転車館」が製作している、クロモリフレームのミニベロです。メーカーページでの注文時には各パーツの素材、色や形状を選択することでカスタマイズされたミニベロを作ってもらうことができます。
 
チェーンホイールは58-44Tとかなり大きくリアの11Tと合わせるとギア比は5を超え、なかなかの脚力が必要とされますが、ギア比が重い分スピードに乗ると巡航速度を高いまま維持しやすい構成になっています。
 
またミニベロはタイヤとの接触部にシールドベアリングを採用。一般的にミニベロはスピードに乗るとタイヤの回転数が多く、タイヤとの接合部品のハブの精密度合がより重要になるため、パーツにこだわりがあります。
 
 

Tyrell FX

香川県の自転車メーカー、アイヴエモーションが製作しているTyrell FXです。Tyrellシリーズの中でもFXは折りたたみが可能でさらにスピードも追求できるモデルとなっています。
 
価格帯としては高級車の部類に入るモデルということもあり、各パーツこだわりが見られますが、何といってもこのモデルはフレームにアルミを使っていても総重量が8.9kgと軽く、持ち運びや漕ぎ出しが非常に楽という特徴があります。
 
衝撃吸収としてはフロントフォークにカーボンを使い、硬いフレームでも安定して楽に走れる工夫がされています。
 
昨年のサイクルモード2016に訪れた際、展示ブースを見学しましたがホイールベース(前後輪の幅)が長めに取ってあるフレームはとにかく格好良く、折りたたみできるスポーツタイプとしてTyrellの人気がよく分かりました。またカラーリングも白×赤やグレー×イエローなど、2色カラーのパターンも選べます。
 
 

Tern Eclipse X22

自動車で折りたたみ自転車を運ぶ用途であれば、スピードを追求するならタイヤサイズは26インチを選んでも良いのではないか、ということでTern EclipseのX22を選びました。
 
TernはDahon創業者の息子であるJoshua Honさんが2011年に立ち上げた新ブランドで、Dahonと折りたたみ機構は似ていますが、ブラック中心のカラーリングや24-26インチの折りたたみ自転車も多く取り扱うなど、よりダークな格好良さを意識したブランドになっています。
 
こちらのモデルのように、タイヤ径が大きい場合、自転車がスピードに乗った時に大きなタイヤよりも小さなタイヤの方が減速しやすいため、スピードに乗った状態を楽に維持することができます。
 
またギア数は22段変速と圧倒的に多く、スピードに応じたギア調節でスポーティな走りが可能。スピード調整のため、前後輪が油圧式のブレーキとなっている点も安心です。
 
 

Tartaruga Type SPORT

元ナムコで数々のゲーム機デザインに携わってこられたプロダクトデザイナーの吉松尚孝さんが設立したTarutaruga Entertainment Worksの製作した折りたたみ自転車です。
 
遊び心のあるカラーリングとフレームの形が特徴で、スピードと乗り心地を両立するためにアルミの固めのフレームを採用しつつ、前後輪にサスペンション(こちらも固めのもの)を付けています。サスペンションが柔らかすぎるとぐにゃぐにゃした乗り心地になってしまいますが、この自転車はそのバランスを最適に保ちつつ、53/39T の大型ギアを装備して安定性とスピードを両立しています。
 
またこのモデルは折りたたみ方が用途に応じて2種類あったり、大ぶりのバッグも積めるキャリアを取り付け可能にしているなど、他のモデルには無い遊び心が随所にちりばめられています。プロダクトデザインとしての基本の設計にブレが無いため発売10年経っても大幅なモデルチェンジは行われていないそうで、このコンセプトに共感できる方なら長く相方として乗っていられる1台になるのでは?
 
 

KHS マンハッタンバイク m451S

1974年にアメリカで創業した自転車メーカーのKHSのブランド、マンハッタンバイクのm451Sです。
 
クロモリフレームの鈍い輝きがいかにも速そうなミニベロだったのでピックアップしたのですが、こちらのバイクのデザインコンセプトは、折りたたまないミニベロを前提にしてより速く安定する走りを設計するというもの。
 
クロモリ製のフレームで形状は一見シンプルですが、フロントフォークが通常のミニベロよりも長めで、ロードバイクと同じ700Cのフロントフォークとなっています。そのためミニベロ独特の走行時のふらつきが起こらず、通常のロードバイクに近い操作感を実現。
 
また折りたたみを考慮しなくて済むため、タイヤも20インチでもより大径となる451規格を採用。また座席後部のシートステイの部分が弓成に加工されており衝撃を吸収しやすい構造となっています。

 

 

Dahon Speed pro TT 

 
Dahonのモデルの中でも、アメリカのBusiness Week誌で"Fastest Folder (世界最速の折りたたみ自転車)" を受賞したモデル。カラーは鮮やかなマンゴーオレンジカラーです。
 
スピード対応のためドロップハンドル仕様で、20インチの自転車としては最多の部類となる、3×9速の27段変速ギアを持っています。総重量は9.7kgですが変速による高速走行を可能にしています。
 
現在所有しているDahon Mu P8を購入する前に、Dahonオーナーのブログや動画などをよくチェックしていたのですが、こちらのモデルは人気が高くオーナーの写真や動画を見かけました。これらを見て頂けると分かると思いますが、とにかく速い。。27段最強ですね。

 

 

Dahon Vector X20

 
少し古いモデルになりますが、Dahonの2011年のモデルの中で最も高級なパーツでバランスしていた、フラッグシップモデルのVector X20です。変速数はSpeed Pro TTよりは少ない20速となりますが、全体のバランスが著しく向上していたようで、試乗した方のレポートを見ると絶賛されていました。

 
 

Dahon Dash P8

ある程度価格を抑えながら、スピードも求められる折りたたみ自転車が欲しいという傾けにDahon Dash P8をピックアップしました。
 
こちらのモデルは後輪に8段変速ギアとなっており、快適にかつスピードも上げられる構成となっています。また折りたたみ機構にDahonの新しい折りたたみシステムの"ロックジョー"が採用されており、一見、折りたたみ自転車とは分からないほどスマートに折りたたみ機構が隠されています。またこの折りたたみ方はフレームに負荷がかかりにくいため、自転車に体重をかけた時もずれて力が逃げてしまうということが起こりづらいです。
 
またこれまで紹介したモデルより価格的には3分の1程度となり、ロックジョーのおかげで重量も11kg程度となっているため、手軽に始められるスポーティなDahonとしては最適なのではないかと思います。